はじめに

ダイワボウ情報システム株式会社は、STEAM教育の推進、文化・社会貢献活動の一環として、日本経済新聞社大阪本社主催の『日経STEAM2024シンポジウム』に特別協賛しております。

開催日:2024年7月30日

日経STEAM WEBサイト

※STEAM教育とは、Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsの頭文字を組み合わせた造語であり、科学、技術、数学、ものづくりや芸術の領域を重視し、文理を横断した創造的教育の事を指します。

DISの取組内容について

ダイワボウ情報システム株式会社 教育ICT推進グループでは、DIS特設体験コーナーを開催し、学生・教職員を中心とした多くの来場者の皆様に、DISが提案する「STEAM Lab」で実際に使用しているSTEAM機材を体験いただきました!

①アドビのツールを使用した動画作成・生成AI画像制作、②アバロンテクノロジーズ社の作ってみよう!(CAD)&3Dプリンターを使用したネームプレート制作、③アーテック社のアーテックリンクスによるプログラミングの3ブースを出展させて頂き、それぞれご体験いただきました皆様に感想を伺いましたので、本レポートにてご紹介させていただきます!

①合成動画・生成AI 画像作成体験コーナー

アドビのAdobe Express とは?

アドビのAdobe Expressとは、画像・動画・Webページ等を手軽に作成する事ができるアプリケーションです。

アドビは、教育機関向けのAdobe Expressを小中高に無料で提供しております。一般向けのAdobe Expressに加えて、 児童生徒が安全に学ぶ為のセーフサーチ機能や、学校や教育委員会のプライバシーポリシーに合わせたデプロイが可能であること、アカウント・管理権限が教育委員会・学校にあるなど、児童生徒の安全を厳密に守るための環境が構築されており、安心安全に学習することが可能です。

Adobe Expressについてはこちら

①-1.Adobe Express 動画作成体験

動画作成体験コーナーでは、児童生徒が「自身の表現したい事」を自由にプレゼンする場面を想定し、Adobe Expressを使用した動画制作をご体験いただきました!

まずは、①グリーンバックの前で自由に撮影し、②Adobe Expressを使って背景・テキスト・画像・デザイン素材等を追加、③撮影した動画をカットするなど、動画の撮影から編集まで一連の流れをご体験いただきました!

「何を伝えたいか・どのように伝えるか」など学生の皆様でアイデアを出し合って、自己紹介・学校や部活動・趣味や旅行先の紹介動画等々、皆様の個性溢れる動画を沢山作成していただきました!

グリーンバックの前で動画撮影に励む学生
Adobe Expressで動画編集する学生

動画制作は、自分の思いを形にして他者へ伝える力が必要となり、デジタルを通したコミュニケーションスキルの向上や、主体的・協働的に学びに取り組む姿勢の育成に役立ちます。
伝える相手を意識し、背景・デザインの配置・動画の長さ等々、細部までこだわり・工夫を凝らしながら、主体的・協働的な姿勢で取り組んでいただきました。

学生の皆様からいただいた感想の一部をご紹介いたします。
「グリーンバックを使った撮影が初めてで楽しかった!」
「思っていたよりも動画編集加工が簡単にできた!」
「技術の進歩を感じた、今後も使いたいと思った」
などと嬉しいお言葉を沢山いただき、積極的に取り組む様子が伺えました!

①-2.Adobe Firefly 生成AI画像作成体験

Adobe Fireflyとは、画像生成AIのアプリケーションです。

テキストから画像の生成、生成した画像の一部に要素の追加・削除・生成したコンテンツの置換、背景の変更等、多数のバリエーションを瞬時に作成できる事が特徴です。
服のコスチュームや色の変更・実際には存在しない人物や物の追加など、頭の中の想像を形にし、楽しさと創造性溢れる作品づくりを通してクリエイティビティの幅を広げることができます。

下記の図は、実際のAdobe Firefly操作画面です。「宇宙旅行に行く犬のファミリー」とテキスト入力した所、下記のような画像が生成されました。

生成AI画像作成体験コーナーでは、広告やWebサイトの制作・プレゼン資料の作成を行う場面を想定し、自由にAI画像生成を体験していただきました。

初めてご体験いただく学生は、入力したテキストから画像が生成される事がとても新鮮で驚かれた様子でした。テキストを一部変えるだけで、頭の中のイメージがどんどん形になっていく事に面白さを感じたようです。

生成AI画像作成は、技術や情報の創造性、理想のイメージに近づけていく過程での情報整理・取捨選択能力の育成にとどまらず、国語の言語化する力の育成など、教科を横断した資質・能力の育成に繋がります。

学生の皆様からいただいた感想の一部をご紹介いたします。
「単語から画像やイラストを作れる事にAIの進歩を感じた!」
「思っていたよりも短い時間で生成する事ができた」
「ワードを増やすとイメージがより正確に表れた・自分の世界観をつくるのが楽しかった」など、皆さん生成AIの体験を通してクリエイティビティ活動の楽しさを感じたようです!家でも使いたいなどと、前向きな感想が印象的でした。

Adobe Expressは、今回ご体験いただいた用途以外にも、課外活動や教員のプリント制作等幅広い場面で活躍し、積極的に教育現場へ導入されております。当社でも、STEAM Labを始めとして教育現場への導入を積極的に進めております。

今後は、文部科学省の「DXハイスクール事業」等において動画・画像生成ソフトの普及がさらに加速し、児童生徒が多様な情報ツールに触れることで、単純操作にとどまらず、問題解決や目的達成のために、情報ツールを選択・活用する力の育成が期待できるでしょう。

②CAD&3D プリンター体験コーナー

CAD&3D プリンターとは?

近年、教育現場では3Dプリンターの導入が進んでおり、令和元年の中学校教材整備指針(案)には、8人に1台の導入・特別支援教材整備指針(案)には、3人に1台の導入を文部科学省が発表しております。

アバロンテクノロジーズ社の「作ってみよう!」は、日本初の3Dプリンター教育支援CADソフトです。操作方法はとてもシンプルで、パソコンが慣れていない生徒でも豊富なサンプルを組み合わせるだけでオリジナルの形を作る事ができます。

「作ってみよう!」と3Dプリンターを活用する事で、自分のアイデアを形にする事ができます。

「作ってみよう!」についてはこちら

CAD&3Dプリンター体験

CAD&3Dプリンター体験コーナーでは、アバロンテクノロジーズ社の「作ってみよう!」、Creality社の「Sermoon V1 Pro FDM 3Dプリンター」、「K1 FDM 3Dプリンター」、Bambu Lab社の「Bambu Lab P1S」を使用してご体験いただきました!

「作ってみよう!」でオリジナルのネームプレートを作成し、そのデータを3Dプリンターで印刷してお持ち帰りいただきました。ネームプレートの形からデザイン・文字等を自由にレイアウトする事ができ、皆様好きな形・動画・文字等を入れていただき、オリジナルのネームプレートを作成していただきました。

Sermoon V1 Pro FDM 3Dプリンター
K1 FDM 3Dプリンター (creality.com)
P1S 3Dプリンター | Bambu Lab ストア

当社はインテル株式会社と協同での「STEAM Lab」において、3Dプリンターを多く導入しております。
STEAM Labの取り組みの中では、医療従事者への感謝を記載したメダルをCADで制作し3Dプリンターで出力した生徒や、ランドセルに傘を固定するパーツを作成するなど「総合」の授業での利活用が進んでいるようです。

想像力を形にできる3Dプリンターは、数学・理科・技術・情報等の幅広い教科で活用する事ができ、情報整理・分析能力の育成を通した主体的な学びの実現に役立ちます。

STEAM Lab 事例紹介についてはこちら

「作ってみよう!」で制作中の学生さん
「作ってみよう!」の画面

学生の皆様からいただいた感想の一部をご紹介いたします。
・自分で好きなようにデザインするのがとても楽しかったです。
・空間座標の操作が難しかったが、分かりやすい表示で直感的に操作できた。
・3Dプリンターで印刷される時間がとてもワクワクした!

【まとめ】
3Dプリンター・CADを始めて使用したという学生が多く、中には前から体験してみたかった!という学生もいらっしゃいました。

「作ってみよう!」は、パソコンが苦手・数学や数字を使う事が苦手という学生も「初めは難しそうと思っていたが、操作が分かりやすかった!」「もっと違う形のものも作ってみたいと思った!」などと、ものづくりの楽しさを体感できた様子でした。

ご自身でアイデアを出して作成したネームプレートが出来上がっていく様子を興味深々で見ている学生の皆様。
「初めての体験でワクワクした!」、「立体のものを作るのは難しそうだと思った、他のものが作られる様子も見てみたい!」など3D プリンターでの印刷にも注目していただけました。

出来上がった作品の一部

③アーテックリンクス体験コーナー

アーテック社のアーテックリンクスとは?

「アーテックリンクス」は、コンピューターのメインユニットと8つの拡張ユニットにて構成されるプログラミング教材です。
メインユニットと拡張ユニットはマグネット接続の為、ブロック遊び感覚で簡単にプログラミングを体感しながら学ぶ事ができます。

アーテックリンクスは、家具や家電とつないだプログラミングが可能であり、赤外線通信ユニットと組み合わせたloT家電や、防犯センサー・熱中症アラート等、身近な生活の中から問題を発見し、課題設定・解決に取り組めることが特徴です。

操作方法のみならず用途も身近である為、簡単にプログラミングの楽しさを体感する事ができ、プログラミングの一連の流れを通して、課題発見能力・創造性・問題解決能力などの育成が見込まれます。

アーテックリンクス製品紹介ページ
アーテックリンクス|株式会社アーテック (artec kk.co.jp)

プログラミング体験コーナーでは、アーテック社の「アーテックリンクス」を使って、身のまわりの製品のプログラムを体験していただきました。様々なセンサーを付け替えたりして、エコライトや防犯センサーを作っていただきました。

簡単なセンサーの説明をしただけで、「防犯センサーを作ってみよう」、「加速度センサーを使ったゲームをつくってみよう」などの声があがり、学生の発想の豊かさに驚かされました。また、家に持ち帰って、AIスピーカーみたいにプログラムしてみたいなどと話してくれた学生さんもいらっしゃいました。

アーテックリンクスの操作画面
  プログラミング初体験の学生さんたち

おわりに

当社は、課題解決を目的とした、児童生徒主導のアクティブラーニング環境の基盤整備、ならびに先進テクノロジーを使った「知識技能・資質能力」を育む環境としての「STEAM Labの構成提案」を全国で行っており、今回、体験ブースで使用した最新の機材・ソリューションを中心として、「文理を横断した創造的教育」を実践できる環境づくりのご提案を実施しております。

さらに今年度は文科省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」も施工され、全国の高等学校においても、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びに繋がる環境整備が求められております。

今回の日経STEAM体験ブースで得られた、学生・教員の皆様のお声や感想を参考に、今後も最適な学び環境に則した製品提案を引き続き行ってまいります。

日経STEAM2024シンポジウム についてはこちら

製品についてはこちら