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教育委員会がタブレット導入に踏み出せない
「デバイス」「クラウド」「Wi-Fi」問題とは

2020.08.27

GIGAスクール構想により、大規模補助が打ち出された教育機関のICT機器導入。しかし、政府の狙いに反して、タブレット端末やネットワーク環境の整備を進められている学校はまだ多くありません。ここで導入障壁となっている「デバイス」「クラウド」「Wi-Fi」問題とはなにか。本記事では、教育現場の意見を元に課題を洗い出し、その解決法を具体的なデバイスやソフトウェアから探ります。

導入が急務となる教育ICT機器。スムーズに進まない要因とは?

「児童生徒1人1台のタブレット端末の実現」などが盛り込まれたGIGAスクール構想。その肝となるネットワーク環境整備を行うべく、2,318億円の補正予算を確保する案が閣議決定されました。校内通信ネットワーク整備(Wi-Fiを含む)については、小・中・高等学校を対象に1/2の補助が認められることもあり、全国自治体でネットワーク環境の整備が見込まれています。

そして、高速大容量の通信ネットワーク整備が2023年度までに予定されていることを背景に、急ピッチで教育ICT機器の導入が進められています。それにも関わらず、現場でのクラウド利用は十分とはいえません。教育現場では何が障壁となっており、導入が進まない要因は一体何なのでしょうか。

※参照:令和2年2月21日 第6回 特 別 部 会「GIGAスクール構想」
   (最終閲覧日:2020年8月25日)

タブレット導入が進まない?Wi-Fi・クラウドが抱える意外な盲点

ここからはタブレット端末の導入が進まない背景を、教育ICT関係者からの意見を元に探り、解決すべき課題についてみてみましょう。

「設計」と「セキュリティ」がクラウド導入の障壁に

まずは、教育委員会の現状です。タブレットやクラウドの活用に向けては、情報システムに関する知見やノウハウが必要不可欠といえます。しかし、多くの教育委員会はクラウド構築に関わるノウハウや、体制整備、注意点、仕様書作成、クラウド事業者の協力体制に不安を抱えているようです。また、システムやネットワークの設計についても、安全性等の不安を解消するための指標が欲しいという意見もあります。

クラウドを導入する場合、プライベートネットワークを前提にするという制約もあります。オンプレミスからクラウドへ移行する際には、インターネットへのアクセス方法が複雑化してしまい、結果的に使いにくい事もしばしば…そのため設計が難しく、利用開始までのハードルが高い上に、安全性の不安を考慮すると導入までの費用の捻出はどうしても控え目になってしまいます。

そして教育現場には児童生徒の個人情報などの情報資産が数多くあり、必要以上にセキュリティ対策が求められることも事実です。また、その情報資産は「校務系情報(児童生徒の成績など、当該情報に児童生徒が立ち入ることができない情報)」と「学習情報(児童生徒のワークシートなど、当該情報に教員及び児童生徒がアクセスすることができる情報)」に分類でき、それらの特性を踏まえた管理が欠かせません。

このような背景を考慮し、双方をセキュリティの観点から分断し、機密性・完全性・可用性を保持した情報管理対策が求められているのです。

Wi-Fi環境で教育現場に「不公平感」をもたらす場合も

Wi-Fi環境は校内のみの整備であり、Wi-Fiがない家庭は自宅学習ができないことも導入ハードルの一つでしょう。

徳島県東みよし町では、休校措置の際に教材の家庭用アカウントを急遽発行。しかし、自宅にWi-Fi環境が整備されていない家庭や同時接続による通信環境の悪化により、Wi-Fi環境次第で受講できない児童生徒も出てきました。実際には、アクセスしていたのは全体の3割程度の家庭だったともいわれています。

こうした状況では、公平性という点でもどかしさを感じることもあるでしょう。そこで打ち出されたのが、家庭のWi-Fi環境に左右されずに利用できる「LTE端末」への補助です。

ついにLTE端末のSIM費用も補助対象に

令和2年度の補正予算の家庭用Wi-Fiルーター補助では、LTE端末SIM分も対象になることが決定しました。これにより、タブレットの活用やネットワーク接続に関する新たな展開が期待されています。

多くの教育現場でLTE端末が急拡大

LTEスロット付きのタブレットPCは、機器本体が端末補助4.5万円の対象となっています。また、SIMカードが1万円補助の対象になります。これらの補助対象は、設置者に対して就学援助を受給している子供の数・特別支援教育の子供の数に調整をかけた数を対象として考えられており、すべての児童生徒の2割程度の数になる計算です。これにより「家庭にPCやインターネット環境がない」という児童生徒の数である5%には対応できるとされています。

例えば熊本市では、LTE対応タブレット端末2万3460台を導入する大規模な教育ICTプロジェクトが推進されています。市長を中心とした自治体全体の努力により、教員全員(小中学校で約3,800人)に1人1台、児童生徒は3クラスに1クラス程度のタブレット端末を用意。すべての普通教室に電子黒板と実物投影装置というICT環境を整えることが決まりました。

LTE端末は場所を選ばずどこでも学習が可能であり、通信も安定していることで、多くの学校で導入が進んでいます。

クラウドとLTE環境を兼ね揃えたタブレットが導入の糸口に!

同時に、タブレット端末の導入ハードルを超えるデバイスも登場しました。ここで用いられたのは、従来課題とされていたクラウドとLTE環境をハードに組み込むという解決方法です。

Chromebookで手軽で安全な学習環境の実現

前述の通りクラウド活用のハードルは、アクセスの複雑さにあります。結果、使いづらさ・低パフォーマンス・高コストを生み出しているといえます。

そこで、G Suite for Educationでは、GoogleのChrome OSを搭載したタブレット端末「Chromebook」を活用し、ネットワーク関連を含めたトータルなサポートを実現。また、G Suite for Educationはコストメリットの高さが魅力のプランで、従来ハードルになっていたパフォーマンス面、コスト面の両方をクリアし、運用の設計を立てやすい内容となっています。

同時に、校務と児童生徒間のセキュリティ課題解決も可能です。G suite for Educationは、児童生徒の授業利用だけでなく、校務(ファイルサーバからの移行など)での利用も盛んに行われており、教員と児童生徒が両方利用したとしても、セキュリティ面で問題が発生しない仕様です。これまで見てきた課題を一挙に解決できるといっても過言ではないでしょう。

【導入事例】G Suite for Educationで14 万人分のクラウド環境を構築

続いて、実際に導入に至った事例を見てみましょう。神奈川県教育委員会は、2019年8月、全県立高校と全県立中等教育学校に1万1,726台のChromebookを導入しました。2022年度までに3クラスに1クラス分の配備を目指しています。

さらに、学習活動用にクラウドサービスG Suite for Educationの導入も決定。全県立高校と全県立中等教育学校の教員と児童生徒約14万人にGoogleアカウントを発行します。この実績を見ても、手軽にクラウド環境を構築できることが垣間見えます。

ChromebookはLTEにも対応可能

加えて、Acerの「Chromebook C732L-H14M」と「Chromebook C732LT-F14N」はLTEに対応済み。モジュールを組み込んだハードによって、より理想とするICT環境の実現を可能とします。

無線LAN環境への依存度を軽減することで得られるメリットは、想像以上に大きいはずです。

教育用タブレット端末の導入にはOSごとの比較を!

GIGAスクール構想の進展により、以前よりもネットワーク環境の整備が加速しつつあります。そして、ネットワークの普及に伴い、通信およびクラウド環境に適したOSを推奨することが求められています。

いま教育現場で求められているのは、今回ご紹介したChromebookだけではなく、iPadやWindowsの特徴を押さえた提案といえるでしょう。こうしたニーズを踏まえ、ダイワボウ情報システムでは、教育現場の負担を少しでも軽減すべく、ICT機器の導入・設置・運用・管理・保守をワンストップでサポート出来る体制を用意しています。多くの企業向けにICT機器を導入してきたノウハウも蓄積していますので、大量導入時の検討でも安心してお任せください。

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