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STEAM教育はなぜ必要?
プログラミング教育との関係や課題についても解説

2023.01.25

ITの発展に伴い社会が複雑に変化する中、さまざまな課題の解決や価値創造に寄与する人材を育成する「STEAM教育」が注目されています。本記事では、STEAM教育はどのようなものか、必要とされる理由や現状の課題などを、プログラミング教育との関係にも触れながらご紹介します。

STEAM教育とは

STEAM(スティーム)教育とは、「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Arts(論理的思考、表現)」「Mathematics(数学)」5つの頭文字からなる略語で、理数教育に創造性を高める教育をプラスした理念のことです。
IoTやAIなどの技術進歩に伴う現代社会の急速な変化への適応や、さまざまな課題の解決、新たな価値創造などのできる人材を育成するための教育方針として掲げられています。

なぜSTEAM教育が必要なのか

STEAM教育が注目されている理由

STEAM教育の前に注目を集めていた教育理念として、STEM(ステム)教育と呼ばれるものがあります。STEM教育は、AIをはじめとした先端技術を使いこなせる人材の必要性が高まる中、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の横断的な学習を促すものとして、2000年代にアメリカで提唱されました。

理系人材の育成が目標として掲げられているSTEM教育では、その後すぐれた技術や価値を創出し普及させるためには、科学や技術など理系的な知見だけでなく「創造性」や「デザイン」にかかわる素養も必要だという考えが浸透しました。
そこで、従来のSTEM教育に「Arts(論理的思考、表現)」を加えた「STEAM教育」が提唱されました。ここでの「Arts」は、芸術のみならず、文化、生活、経済、法律、政治、倫理などを含めた幅広い分野として定義されています。

現在、世界ではAIやロボットなどIT技術の発展が大きく進んでおり、これまで人間が行っていた仕事が今後AIやロボットに代替されていくことが予想されます。そうした中、さまざまな能力を生かし社会に新しい変化を生み出す人材が必要となるため、その育成に寄与するSTEAM教育の実施は必要不可欠といえます。

STEAM教育の目的

文部科学省は、STEAM教育の目的として以下2点を挙げています。

・科学・技術分野の経済的成長や革新・創造に特化した人材育成
・STEAM分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民の育成


これらの目的を実現するためには、今後、以下3つの能力が求められます。

①文章や情報を正確に読み解き対話する力:論理的思考を行うための読解力や、他者と協働して思考・判断・表現を深める対話力など

②科学的に思考・吟味し活用する力:機械を理解し使いこなすためのリテラシーや、その基盤となるサイエンスや数学、分析的・クリティカルに思考する力、全体をシステムとしてデザインする力など

③価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力:実体験を通じて醸成される豊かな感性や、多くのアイデアを生み出す柔軟な思考力、感性や知性に基づく独創性と対話を通じてさらに世界を広げる創造力、実践から学び自信につなげていく力など

参考:文部科学省「STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について」

参考:文部科学省「Society 5.0 に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」

これらの能力はSTEAM教育を通じて育んでいくことが可能です。
またSTEAM教育は、昨今、必修化された「プログラミング教育」とも深く関係しているため、その関係性について次章でご紹介します。

STEAM教育とプログラミング教育の関係

STEAM教育の特徴の1つとして、プログラミングを授業に取り入れている点が挙げられます。
小学校では2020年度から、中学校では2021年度から必修化されているプログラミングは、STEAM教育における重要な1項目であり、多くの企業が子ども向けから大人向けまで、STEAM教育と紐付けたプログラミング教育サービスを提供しています。

実際に、文部科学省の中央教育審議会答申では、STEAM教育の土台として「幼児期からのものづくり体験や科学的な体験の充実,小中学校での各教科等や総合的な学習の時間における教科等横断的な学習や探究的な学習,プログラミング教育などの充実に努めることも重要である。」と言及されています。

参考:文部科学省「STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について」

プログラミング教育は、児童生徒の「プログラミング的思考(論理的思考力)」を育てることを目的とした体験型の学習です。このプログラミング的思考(論理的思考力)を学ぶためには、プログラミングそのものを学習することが最適であり、かつ早い時期から学んだほうが良いため小中学校で必修化された背景があります。

小中学校で実施されるプログラミング教育の内容については、以下記事で解説しています。



このようにプログラミング教育とも関係するSTEAM教育ですが、推進するうえでは次章でご紹介する3つの課題があります。


STEAM教育の現状の課題

IT環境の整備

STEAM教育では、ロボットやパソコンに直接触れるなどの体験を通じた学びが重要である とされています。しかし、教育現場によってはインターネット環境が整っていなかったり、児童生徒1人ひとりにパソコンが提供できなかったりと、IT環境の整備が追いついていない課題があります。
また、STEAM教育で使われる機材は高額なものが多いため、導入・整備に際して、予算面や運用面などクリアすべき課題も少なくありません。

指導できる教職員の不足

STEAM教育に求められる、プログラミングやものづくりの知識などは、専門的な知識・技術をもっておく必要があります。しかし、多くの教職員は非常に多忙であるため、新たに専門的なスキルや知識を習得するための時間をなかなか捻出できません。
さらに、教職員によってスキルや知識の差が大きく、十分な指導ができない教員も多くいると考えられます。こうした要因から、すべての児童生徒が一定水準のSTEAM教育を受けることは現状では難しいといえます。

STEAM教育の注目度の低さ

世界ではSTEAM教育に関連して、教育施設・研究センターやプロジェクトを立ち上げるなどの動きが見られますが、日本での認知度・注目度はあまり高くありません。また、国としてSTEAM教育を推進するには十分な規模の予算も確保する必要があり、そのためには世論の注目や後押しが求められます。

以上のような課題を踏まえたうえで、次章では、今度のSTEAM教育の実現性についてご紹介します。

今後STEAM教育が実現する可能性

STEAM教育についてはこれまでご紹介したような課題はあるものの、児童生徒のICT機器や普通教室の無線LAN整備率などは年々上昇しており、教育現場のICT環境設備は着実に進んできています。そのため、今後、日本国内のICT環境はさらに整備され、STEAM教育を学ぶのに適した環境が整ってくると予想されます。

STEAM教育の実現には、ICT機器の充実だけでなく、横断的な視点での教育課程の編成や、教育従事者に対する待遇の向上、さらに各関係機関と各学校との連携による、児童生徒や地域の実情に合った探究学習の充実も重要です。

STEAM教育の環境が実現することで、問題発見・解決能力、言語能力、プログラミング的思考、情報活⽤能⼒の向上が期待できます。また、多様な人々との協働を通じ、さまざまな社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手を創出できる可能性が高まります。

このような可能性をもつSTEAM教育に必要な製品については、以下資料でご紹介しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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