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ICT先進校の間で導入が進む、ウェブブラウザベースの授業支援サービス「schoolTakt」を使った学習とは?

2018年12月17日 記事

教育現場ではタブレットやPCなどの端末整備が進むにつれて、授業支援システムの導入も増えている。教師がデジタル教材を配布したり、児童生徒同士が意見を交換したりと、授業支援システムがあることで、よりインタラクティブな授業が可能になるからだ。

 

ウェブブラウザベースの授業支援システム「schoolTakt(スクールタクト)」は、数ある授業支援システムの中でも、ICT先進校を中心に導入が広がっている製品だ。ウェブブラウザベースに加えて、マルチデバイスでも使用可能なことや、リアルタイム性を活かしたコミュニケーションが魅力で、より質の高い学習につながるとして教育者らの評価も高い。

 

schoolTaktとは、どのような製品なのか。全国的にもICT先進校として知られる東京都小金井市立前原小学校の事例を中心に紹介しよう。

リアルタイムのやり取りが充実。ストレスフリーで“サクサク動く”のがメリット

まずは、ウェブブラウザベースの授業支援システム「schoolTakt(スクールタクト)」が、どのような製品なのかを紹介しよう。

 

schoolTaktは、iPadやタブレット、ノートPCなど機種に関わらず、どの端末からでも利用可能な授業支援システムだ。ウェブブラウザさえあれば利用できるので、インストールやアップデートの手間もなく、教師や児童生徒はIDとパスワードのログインだけでアクセスできる。学校や家庭など場所にもとらわれず、いつでも、どこでも、学習可能な環境を提供できるのが特徴だ。

 

schoolTaktの一番の魅力は、“リアルタイム性”に優れていることだ。児童生徒の書き込みが教師のタブレットにリアルタイムで表示されたり、児童生徒同士が互いの書き込みを見てコメントを残したりするなど、相互のやり取りが活発に行えるが、schoolTaktの場合は“サクサクと動く”と教育者らから好評だ。導入実績も全国300校を超え、総務省「先導的教育システム実証事業」文部科学省「次世代学校支援モデル構築事業」総務省「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」にも採択されている。

 

 

schoolTaktはマルチOS・マルチデバイスで使えるのがメリット。児童生徒の意見や学習状況などをリアルタイムに把握することが可能で、協働学習や個別学習などツールとしても使いやすい。

ほかにもschoolTaktの特徴としては、教師がICTを活用してさまざまな学習に挑戦できるよう、機能が充実していることだ。「プレゼンテーション機能」や「ポートフォリオ機能」、「ファイル共有機能」などベーシックなものから、児童生徒が“わかった/わからない”を意思表示する「クリッカー機能」、さらには相互評価に活用できる「コメント・いいね機能」など、多様な授業デザインに活用できる機能が設けられている。

 

schoolTaktでは、小学校・中学校・高校で合わせて5000枚の教材テンプレートが用意されている。教師の授業準備の負担軽減につながっているという。

なかでも、教材テンプレートの充実が突出している。小学校・中学校・高校を合わせて約5000枚の教材テンプレートが用意され、今後も継続して増やしていくというのだ。算数では図形のテンプレートやイラスト入りの理科のワークシートなど、教師が授業支援システムで使える教材を作るのは準備が大変であるが、schoolTaktの導入校では教師の負担軽減につながっているという。もちろん、教師がオリジナルの教材をつくることも可能で、とくに動くアニメーション教材を作成できるのが好評だ。

朝の会でクラス全員がschoolTaktに書き込み、一日がスタート!

東京都小金井市立前原小学校は、全国的にもICT先進校として知られている。同校では現在、4〜6年生までが一人1台でChromebookを、1〜3年生までがiPadの一人1台環境を整備しており、ICT活用やプログラミング教育などを積極的に進めている。同校の松田孝校長は「情報活用能力は、さまざまな能力の育成を包括する」として、日常的なICT活用が定着している学校でもある。(※松田校長のインタビューは中編で掲載)

 

そんな同校では6年生のクラスで、この4月から朝の会にschoolTaktが活用されている。通常、朝の会でやることといえば、教師が出欠を取って健康チェックを行ったり、日直や係がその日の連絡を伝えたりするのが一般的だ。しかし、こうした形の朝の会は、多くの児童が受け身になってしまい、教師も児童一人ひとりとコミュニケーションをとることは、むずかしい。

 

schoolTaktを活用した朝の会の様子。児童たちは健康状態や昨日あった出来事、みんなに伝えたいことなどを書き込む。

そこで、同クラスでは朝の会にschoolTaktを使って、児童たちがその日の健康状態や言いたいことを自由に書き込む環境をつくった。たとえば、「今日も元気」「足が痛い」「寝坊して、朝ごはんを食べられなかった」という具合に今朝の気分を書き込む児童もいれば、「たてわり活動をがんばりたい」「昨日、〇〇くんと遊んだときに、ボールがプールに入って困った」など、意欲や昨日あった出来事を書き込む児童もいるという。

朝の会でschoolTaktに書き込む内容は自由。児童によっては、文字ではなく、イラストを描いて表現することもあるという。

担任の蓑手章吾教諭は、「教師が児童の状態を把握するのに役立つのはもちろん、おとなしい児童に発言の機会を与え、児童同士の人間関係に良い影響を与えています」と語る。同教諭の話では、学校の中で児童同士がフリートークを行う時間は意外に少なく、休み時間は好きな子同士で固まってしまう。ゆえに、schoolTaktを活用した朝の会では、児童たちが自由に書き込むことで、「あの子、あんなことが好きだったんだ」など、気づきを与えるきっかけになっているというのだ。

 

加えて、schoolTaktの場合は、児童同士が互いの投稿に対して、「いいね!」ボタンを押したり、コメントを残すことが可能だ。これにより、児童間のコミュニケーションが活発になり、児童の自己肯定感が高まっているのではないかと同教諭は語る。一方で、このような児童同士のやり取りについては、“コメントをもらえない児童はどうするのか”といった懸念もあるが、それについて同教諭は、「子供同士の自然なやり取りを見ながら、学級運営に活かす」と語る。schoolTaktには、児童たちが書いたコメントやいいねボタンのアクションデータをもとに、人間関係を客観視できる「発言マップ」がある。この機能を活かして、学級の人間関係を可視化し、課題の早期発見に活かしていきたいというのだ。

担任の箕手章吾教諭は「おとなしい児童に発言の機会を与え、児童同士の人間関係に良い影響を与えている」と語る。

schoolTaktのメインは授業の振り返り。タイピング力も向上!

前原小学校では朝の会以外にも、さまざま学習でschoolTaktを活用している。なかでも、一番多いのは授業の振り返りだ。これについて同校の松田校長は「いろいろな教科で授業の振り返りとして、schoolTaktに感想を書き込むようにしています。児童たちは学習した内容を振り返ることで、何ができるようになったかを客観視し、自己肯定感を高めるとともに、教師の評価につながると考えています」と語る。

 

schoolTaktで授業の振り返りを行うメリットは、大きく2つある。ひとつは、学習ポートフォリオとして蓄積されることだ。schoolTaktには「ポートフォリオ機能」があり、取り組んだ課題などを時系列で一覧表示するほか、教科別に絞り込んで閲覧することができる。

 

もうひとつは、タイピングスキルの向上だ。schoolTaktに自分の感想や意見を書き込むことで、前原小学校の児童たちはタイピングのスキルが伸びているという。一例として、文科省が2014年に実施した「情報活用能力調査」と比較すると、同調査では“小学5年生の文字入力は1分間あたり5.9文字”との報告があるが、前原小学校が行った2018年7月の調査では、6年生17.9文字/分、5年生14.5文字/分、4年生11.9文字/分と、全国平均を上回る結果が出ている。松田校長は「今後、大学入試や英語の外部試験などでCBTが導入されるとタイピングスキルが必須になります。また児童にとっても、コンピュータの活用範囲が広がるのでタイピングはできた方が良いです。schoolTaktを日常的に活用する中で、コンピュータの基本スキルを伸ばしていきたいと考えています」と語る。実際に、児童の経年変化を見ても、4月に比べて、9月、12月と書き込みの量も増えていくというのだ。

schoolTaktに授業の感想を書き込み、ポートフォリオとして蓄積。日々の文字入力は児童たちのタイピングスキルの向上にもつながっている。

ほかにも、前原小学校では低学年で、schoolTaktを活用した理科のレポート作成や、4年生の算数では協働学習のツールとして活用している。算数の授業では、schoolTaktを通じて、児童たちが自分の分からない問題を共有し合い、分かる人が分からない人に教え合う、学びの環境を築いた。また同校では、校内研修にもschoolTaktを活用。今までは付箋に意見を書いて、それをグルーピングするような形で進めていたが、schoolTaktを使うことで校内研修の記録を残し、意見交換がよりスムーズに行えるようになってきたというのだ。

「遠隔授業」や「主体的・対話的で深い学び」を実践するツールとして導入

schoolTaktは前原小学校以外にも、全国の学校で導入が広がっている。昨今、特に増えているのは、遠隔授業のツールとしてschoolTaktを導入するケースだ。人口減少に伴い、学校の統廃合が進む山間部の学校では、児童生徒が多様な意見に触れられるかが課題となるが、schoolTaktを活用して都市部の学校とつながり、遠隔授業を実施する事例が増えているというのだ。

 

長野県伊那市では、小規模校の小学5〜6年生たちが中規模校の小学校とつながり、schoolTaktで遠隔授業を行っている。離れた場所にいる児童同士がリアルタイムで互いの意見を書き込み、無料通話サービス「Skype」や「Zoom」を使いながら話し合いを行うという。このような共通の学習経験を築いたうえで、同じ中学校へ入学してくるため、中1ギャップもなくスタートが切れるというのだ。

 

長野県伊那市では、小規模校の小学5〜6年生たちと中規模校の小学校の児童がつながり、schoolTaktで遠隔授業を行っている。

また佐賀県武雄市立北方中学校では、同市のパイロット校としてICT活用を積極的に進めている。ここでもメインで使用しているのはschoolTaktであり、「主体的・対話的で深い学び」を実践するツールとして活用されている。中2数学の授業では、図形の角度を求める問題でschoolTaktが活用され、生徒同士が意見交換を行った。図形の問題は何通りも答えがあるため、友達がどのように考えたのか、schoolTaktで確認しながら、自分とは異なる解答を持つ生徒と話し合う。補助線を加えたり、友達の意見をメモしたりしながら、生徒たちは意見交換を行った。

武雄市立北方中学校では、中2数学の図形の問題でschoolTakt活用して考えた。異なる解答をした生徒同士が自分の考えを伝えあい、新たな気づきを得る機会をつくった。

以上のように、schoolTaktは学習、または学校生活のあらゆる場面で活用されている授業支援システムだ。現場の教師らからも、schoolTaktの“汎用性の高さ”は実感できる部分のようで、さまざまな教科での活用が進んでいる。今後は家庭でのネットワーク環境やタブレットの持ち帰りが浸透すれば、ウェブブラウザベースで使える授業支援システムは、さらに活用する範囲が広がる。より多様な学習機会の創出するのが、schoolTaktの強みだといえる。

 

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