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つながりが創る新しい学びのかたち コラボノート® for School

2017年09月11日 記事

JR四国と聞けば、誰もが鉄道の会社だと思うはずだ。しかし昨今はその名前を教育業界でも聞くようになった。思考と交流を深める協働学習プラットフォーム「コラボノート® for School」は、ジェイアール四国コミュニケーションウェアが提供する製品だ。同社は1990年に設立、教育市場に参入し、インターネットが普及して以来、一貫して協働学習で使える製品を提供してきた。コラボノート for Schoolとはどのような製品なのか。同社取締役 営業部長 青沼和明氏に話を聞いた。

鉄道の会社がなぜ教育に?

1990年に設立した株式会社ジェイアール四国コミュニケーションウェアは、JR四国(四国旅客鉄道株式会社)のグループ企業。JR四国グループは「お客様に喜んでご利用いただける安全で安心なサービスや商品の提供、そして時代環境の変化に即応していく」といった方針を掲げており、鉄道以外の分野にも広く参入している。その1つ、ジェイアール四国コミュニケーションウェア(以下、JR四国コムウェア)は、教育事業をメインにした企業だ。

 

設立以来、一貫して学校現場における情報教育やコミュニケーションに役立つソリューションを提供し続けてきたJR四国コムウェアだが、同社取締役 営業部長 青沼和明氏は「鉄道は地域と地域をつなぐものですが、これからはコンピュータネットワークが人と人とのつながりを創る時代。そんな考えから、コンピュータネットワークの技術を活かして、子どもたちと地域を結びつけるような事業をやりたいという想いがありました」と教育分野へ参入した経緯を語る。

 

当初は教育コンテンツの取扱からスタートしたJR四国コムウェアだが、その後、1992年から自社開発に乗り出した。これからはインターネットの時代だと確信し、1997年にリリースした製品は「イントラバケッツ」と呼ばれるHTMLベースのエディタソフトで、子どもが学習した内容をデータベースに蓄積できるものだ。続いて、2000年にはグループごとにノートを編集できる協働学習ソフト「グループバケッツ」をリリース、さらに2002年にはクラス全員でリアルタイムに書き込みができるデジタル模造紙「わいわいレコーダー」をリリースした。インターネット黎明期から、協働学習にこだわったソリューションを提供しているといえる。

 

今回フォーカスする「コラボノート® for School」は、同社がこれまでにリリースした前述3つの製品を包括し、さらに現在の教育現場の環境やICT技術に対応した製品となる。

 

「2011年に文科省から発表された教育の情報化ビジョンでは、協働学習ツールを活用した教え合いや学び合いが提示されています。コラボノート for Schoolでは、そうした提案に応えられるよう、これ1つでさまざまな形の協働学習が実践できるように開発を続けてきました」

 

企業理念でもある「つながり」を重要視しながら、教育分野でも役立つ協働学習のソリューションが、コラボノート for Schoolなのだ。

学校内でも、外でも、ストレスなく使える協働学習ツール

では、コラボノート for Schoolとは具体的にどのような製品なのか。一言でいうなら、グループ学習の際、複数人でリアルタイムに同時入力や同時編集ができるデジタルノートだ。

 

使い方は、2通りに分かれる。1つは、校内ネットワークを利用して学校内で協働学習を行う場合だ。調べ学習した内容をグループでまとめたり、クラス内で意見を交換したりする際に活用する。もう1つは、JR四国コムウェアが提供する交流学習専用の外部サーバーに接続して、協働学習や交流学習を行う場合だ。例えば、遠足や町探検で写真を撮り、その場で発表資料にまとめたり、他校や専門家との交流学習に利用するという具合だ。なお、いずれも児童生徒の画面上では、下記のような2つのアイコンが用意されており、協働学習の内容によってアクセスが異なる。

「コラボノート」と「コラボノート交流学習サーバー」の2つを、それぞれ見ていこう。

 

●コラボノート

教師がコラボノート上につくったノートの中で、クラス全員が同時に書き込みや編集ができる。縦書き入力や手書き入力、付箋機能、写真や動画の貼り付け、グラフ入力、Microsoft Word、Microsoft Excel、PDFといった添付ファイルの追加など、教育現場で必要十分な機能が揃っている。特徴としては、Webブラウザからのアクセスであるため、クライアントデバイス(PCやタブレット)にアプリケーションをインストールする必要はなく、マルチデバイスで使用できることだ。

 

●交流学習サーバー

コラボノート for Schoolは、製品を購入した学校に対して交流学習で使用できる「交流学習サーバー」を提供している。市内の学校同士で交流したい、専門家や研究機関とつながって交流学習をしたいといった要望を持つ学校は多いが、学校内のサーバーには外部からのアクセスはできず、ネットワークを介した交流はハードルが高かった。そんな悩みを解決したのがコラボノート交流学習サーバーだ。

 

使い方も簡単だ。コラボノート交流学習では、下記の3ステップで交流学習が実現する。

 

 ①ホスト校がコラボノート交流サイトより申請をしてゲストIDを発行してもらう

 ②相手校にURLとゲストIDを伝える(相手校はコラボノートを導入する必要はない)

 ③ホスト校がコラボノート交流サーバー上にノートを作成する(テンプレートからの選択も可)

サーバー上に構成されたノート(文書)に、さまざまなブラウザから文字や画像の編集、添付ファイルなどの貼り付けが同時に操作できる。また、コラボノート交流サーバーで交流学習が行える。

交流学習で使用するノートのデータは、JR四国コムウェアが提供する交流学習サーバーに蓄積されおり、インターネットに接続できるパソコンやタブレットからアクセス可能だ。また、同社では交流学習のサポートデスクも設けており、例えば、「◯◯小学校の5年生と交流学習がしたい」などの要望を伝えれば、どのような活動をしたいのかによって、ノートのテンプレートを作成してくれたり、ID発行の手伝いをしてくれるというのだ。青沼氏は、「まだまだ交流学習自体は日常的に行うものではなく、先生にとってイベントごとになります。当然、準備の負担が多いので、少しでもサポートできればと思い、専用のサポートデスクを設けています」と語る。

普段はおとなしい子どもも、発表する姿、意見を述べる姿に自信がつく

コラボノート for Schoolは、実際にどのように使われているのだろうか。渋谷区の事例を紹介しよう。

 

渋谷区は2016年度に、区立代々木山谷小学校の5年生を対象にセルラーモデルのタブレットを用いた1人1台環境の実証実験を行った。その際にコラボノート for Schoolを採用し、協働学習や持ち帰り学習に取り組んだ。授業中の意見交流や話し合い、グループによる調べ学習やその発表など、多くの教科、学年でコラボノート for Schoolが使用されたという。使用後は「人前で堂々と発表できる力が伸びた」「児童が積極的に発言するようになった」「自宅でしっかり調べてきてから話し合いに参加する姿が見られるようになった」といった所感が寄せられている。

渋谷区立代々木山谷小学校の事例
渋谷区立代々木山谷小学校の事例

コラボノート for Schoolの利用校では、付箋紙の色に意味をもたせて意見を書き、話し合うことが多いという。

ほかにも渋谷区では、夏休みを利用してコラボノート for Schoolを用いた家庭学習にも挑戦した。自由研究をまとめたり、読んだ新聞の感想を書き込み、それに対して児童同士がコメントを送り合うなど、家庭にいながら児童同士が交流できる環境を築いた。

 

青沼氏は、こうした利用について「コラボノート for Schoolの良いところは、普段の授業であまり発言しない子どもの意見を拾えることです。コラボノート for School上に書くスペースを与えてあげると、自分の意見を書く場所があると意欲を持てる子どももいます」と語る。

フィールド学習・交流学習など教室の外で多様な学習を実現

立教小学校では6年生の修学旅行の際に、コラボノート for Schoolを使ったグループ行動を行った。与えられた課題は、フィールドワークのコースの中から、みんなに紹介したい場所を写真とコメントで記録するというもの。対象を見てすぐにコメントを書き込めるので、児童の活き活きしたコメントが得られたという。

立教小学校の事例
立教小学校の事例

さらにコラボノート for Schoolでは、他のグループの進捗状況も分かるため、児童たちは紹介したい場所が重なったとしても、あるグループは二条城の全景を選んだり、別のグループはうぐいす張りの「床下」を撮影したりするなど、自分たちで気づき、伝える内容を変えることもできた。

 

「他のグループの進捗状況を見ることで、写真はどのように撮ればより伝わりやすいのか、どのような情報が求められているのかなど、児童は人と違う視点を見つけようとしたといいます。リアルタイムに書き込み、共有できるコラボノート for Schoolだからこそ、こうした活動ができるのです」(青沼氏)

 

ほかにも、JAみやぎ登米の職員が東京都豊島区の小学校で出前授業をした際にもコラボノート for Schoolが使用された。子どもたちは米づくりについての授業を受けた感想と、当日に聞くことができなかった質問をコラボノート for Schoolに書き込み、職員は自宅から回答をしたという。

JAみやぎ登米と東京都豊島区の小学校の事例
JAみやぎ登米と東京都豊島区の小学校の事例

これまでの出前授業は、それぞれの学校が受けて終わりになっていた。ところが、コラボノート for Schoolで授業後にも感想や質問を共有することで、同じ質問は避け、人とは違う新たな質問を考えようとする自発的な行動が見られたという。その結果、お米づくりに関する質問だけでなく、後継者問題などについても学習を発展させることができ、より視野の広い学習につながったそうだ。

 

ちなみに、同時書き込みや編集作業の最中に、何かトラブルが発生した場合も心配ない。すべての履歴が残っており、先生用のアカウントから削除部品を復旧させることも可能なのだ。また、自分が関わったページをすべて抽出して一冊の電子ブックにすることも、教育機関にとっては魅力的な機能だろう。成果物はホームページ(HTML)やレポート(.docx)、プレゼンデータ(.pptx)として活用できる。

さらに多様な使い方を広げていきたい!

青沼氏はコラボノート for Schoolの今後の展開について、「さまざまな学習に活用の幅を広げていきたい」と語る。具体的には、過疎地域における教育の質の維持・向上を目的とした交流学習や、不登校の児童生徒に対する個別学習など、課題を抱える地域や教育機関、学習者に対してもコラボノート for Schoolの有効性を訴えていきたいというのだ。

 

その1つの取り組みとして、小学校から中学校へ進級する際の中1ギャップの課題に活用した事例がある。中学への進学に不安を感じる小学生からコラボノート for Schoolを通して質問を集め、それに対して中学生が返事を書いた。現在は、多くの小学校で卒業前に中学体験の時間を設けているが、それだけでは小学6年生が抱える不安は解消されない。小学生と中学生のつながりの場をつくることで、心が通い合う交流の場を設けたのだ。

青沼氏はコラボノート for Schoolについて「とにかく、使ってみてよかったと言ってもらいたいです。そのためのサポートに力を入れており、北海道から沖縄まで、各地に先生を支援できるサポート担当者を配置しています」と語る。

 

つながることを通して多様な学びを届けたい。コラボノート for Schoolが提供する学びには、そんな思いが込められている。 

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