DISの教育ICT総合サイト

DIS School Innovation Project

教育長インタビュー 柏市編

教育長インタビュー 柏市編

デジタルとアナログの融合による“教員にとってのより良い授業”と“児童生徒にとっての良い学び”をめざして

全千葉県内で教諭、教頭、校長経験途中に教育委員会の指導主事、学校教育課長、部長を経て平成24年10月から現職につかれた河原 建(かわはら たけし)教育長に柏市の先進的なICTを活用した教育への取組みのこれまでとこれからについてうかがいました。

柏市教育委員会 教育長 河原 健 氏

昭和25年生まれ 茨城県守谷市出身 千葉大学卒業後、昭和48年より千葉県内中学校教諭、教頭、校長を経験 途中、柏市教育委員会の指導主事、学校教育課長、学校教育部長を務める平成24年8月より現職

柏市DATA
【都道府県】千葉県
【群】柏市(隣接する自治体:松戸市・我孫子市・野田市・鎌ヶ谷市・流山市)
【人口/世帯数】409,477人/171,965世帯(平成27年4月1日現在)
【小中学校数】小学校42校、中学校20校
【児童・生徒数】児童21,547人、生徒10,023人(平成27年4月1日現在)
【備考】柏市は県の北西部に位置し,平成17年3月に沼南町と合併し,平成20年に中核市となる。


現場教員の声からスタートしたICT活用


 

―中核都市である柏市の教育の特徴とICT活用の推進についてお聞かせください。

 

小学校42校、中学校20校のほとんどが1中2小の校区です。中学校区の地域コミュニティにおいて、地域行事などを通しての小中連携など地域のつながりが自然なかたちで実現しています。その礎となるのが、昭和50年に始まった地域教育会議で、それは平成20年度から全ての中学校区設置された「ふるさと協議会」につながっています。
柏市の教育基本方針「みんなでつくる魅力ある学校 ~学びの確保 学びを支える組織 学びの支援~」の実現にむけて、「学ぶ意欲」と「学ぶ習慣」を育み、学力向上はもとより、いじめ・不登校対策に取り組むために柏市独自の教職員の配置などの学校支援体制の充実を図っています。
ICTを活用した学習の推進もそのひとつで、平成18年度から教員一人一台のPC整備と全普通教室への実物投影機と学校に1台の電子黒板整備を開始し、わかりやすい授業の実現にむけて、日常的なICT活用を推進してきました。さらに平成24年度からのICT機器更新においては、無線LANと校務支援 システムを導入。中学校には普通教室への天吊り式のプロジェクタの設置を、小学校には普通教室への電子黒板機能付きプロジェクタの常設と同時に、全学年の算数と5,6年生の社会科にデジタル教科書を導入し、さらなるICT活用の推進を実現してきました。加えて、平成11年から継続的に市独自で配置しているITアドバイザーの存在が大きく、今年はベテラン4人にさらに2名増員することで支援体制を強化し、各校での日常的にICTを活用した授業実践をさらに促進するねらいです。
柏市の比較的早い時期からのICT機器導入の取り組みは、先進的な現場教員の新しい学びの発想やチャレンジ意欲を教育委員会が連携支援する体制でスタートしたものです。今後も、学校現場の状況を的確に把握して、多くの現場教員の利用度を高めるICT機器選定やネットワーク環境整備を重視していきたいと考えています。

 


デジタルとアナログの融合による21世紀型スキルの育成


 

―DIS School Innovation Project の参画の成果は何ですか。

 

わかる授業の実現には、授業の改善と教員の授業力の向上が重要で、それが児童生徒の「学ぶ意欲」と「学ぶ習慣の定着につながります。タブレットPCの導入は、児童にとっては個別・協働・一斉などの多様な学習スタイルによるコミュニケーションツールとしての言語活動や思考活動の充実に効果的がありました。また、教師にとっては授業改善への意識を高め、研修への意欲的な参加などが成果としてあげられます。
児童のタブレットPCでの調べなどの思考活動とノートへの学びの過程や考えの手書き表現、教師の板書による情報提示スキルと児童のタブレットによる思考活動の大画面での全体共有など、学習目的や活動場面に応じたICTの効果的 な活用によるデジタルとアナログの融合が、ICT活用を特別な授業ではなく、日常の授業を効果的 に取り入れるための鍵 と言えると考えています。

 


近い将来の一人一台環境の時代にむけて


 

―今後の展望についてお聞かせください。

 

柏市では「学びフロンティアプロジェクト」として、中学校区単位での独自のテーマによる学力向上策をプロポーザルにより毎年2校程度ずつ選定して、教育委員会の人的、金銭的リソースを集中的に投入しています。たとえば読書をテーマにした校区であれば、小中9年間での読書数1,000冊を目標にしており、そのための図書の整備や図書館指導員の配置などがあります。
近い将来、一人一台の情報端末環境で、すべての教科が電子教科書化され、学習目標や個人の状況に応じた多様な学びが学校内のどこででもでき、さらには宿題など家庭学習の状況も教師がタイムリーに把握できるといった状況もあり得ることだと思っています。いつか、どこか の校区からそんなテーマでのプロポーザルが出てくるかもしれませんが、ICT活用のみならずさまざまな“教員にとってのより良い授業“ と “ 児童生徒にとっての良い学び 、“を柏市の全校に広げたいと思っています。

 

ページトップに戻る