DISの教育ICT総合サイト

【ICTを活用した「学ぶ側の体験」模擬授業】とくしまICTバザールVol.2レポート後編

2017年03月09日 記事

2月3、4日の2日間にわたって、徳島県徳島市の大型コンベンション施設「アスティとくしま(徳島県立産業観光交流センター)」および隣接する「ときわプラザ」において、「とくしまICTバザールVol.2」(徳島県主催)が開催された。35団体が最新のICT技術を展示し、5会場において両日ともにセミナーが開催され、のべ1800人が来場、大人から子どもまでが最新のICT技術に触れた。本稿では同共催のダイワボウ情報システムが行った「DIS PowerDayin徳島2017」で教育ICTに関わる「アクティブプレゼンテーション大会」「アクティブ・ラーニングICTジャムセッション」の模様を前後編でお届けする(後編)。

アクティブ・ラーニングICTジャムセッション in とくしま

「とくしまICTバザールvol.2」(同時開催DIS PowerDay in 徳島)では、「ICTアクティブ・ラーニングジャムセッション」という新しい試みが行われた。模擬教室<電子黒板・タブレット>を活用し、産学協働による今後のICT活用によるアクティブ・ラーニングのあり方を徹底追及するためのフリーディスカッションという趣だ。

 

参加するのは現役の教職員、教育委員会など普段は教える側の人たちで、2つの授業支援ツールのデモが行われたのだが、いつもとは逆に参加している教育関係者が学ぶ側になり、模擬授業を体験するという新しい形が試された。また、従来のセッションでは最後に質疑応答の時間をとるのが普通だが、「参加者はいつでも発言していい、活発に議論をしたい」というジャムセッション方式も試された。

※セッションの司会を務めたダイワボウ情報システム中四国営業部部長 土方祥吾氏。時間制限が厳しく十分なディスカッションができなかった部分もあるが、このジャムセッションという新しいスタイルは参加者からも好評だった。

模擬授業①_TruNote Classroom

東芝クライアントソリューションが1月19日に発売したデジタルノート共有アプリ「TruNote Classroom」は、グループ学習に向いた授業支援システムだ。教師から各児童生徒に対して、画像などの教材を配信(配付)することができる。児童生徒はその教材に指やペンなどで書き込むと、教師用タブレットPCまたは電子黒板、プロジェクタなどに全児童生徒の書き込み状況がリアルタイムで表示される。

 

特に優れているのが、全員に同じ教材を一斉配信できるだけでなく、グループごとに同じ教材や異なる教材を配信したり、個々に異なる教材を配信することができることだ。つまり、一斉学習、協働学習、個別学習に対応している。もちろん、配信先は簡単に切り替えられるので、同じ授業時間内に一斉学習、協働学習、個別学習を組み合わせた授業計画を立案することもできる。

 

模擬授業では、個別に「家庭にある防災関係のもの」を書き込むシートが配信され、個々に書き込みを行い、次はあげられた防災関係グッズを協働学習としてグループで話し合いながら、分類をしていく。さらにグループごとに異なる近隣マップの教材として配信され、防災の観点から問題になる近所の場所を書き込み、避難ルートを考えるという授業が行われた。

 

特にグループで地図に書き込みをするときに、タブレットの利便性が発揮された。同じグループ内の他の人の書き込みは、リアルタイムで他のタブレット上にも表示される。そのため、1人1台または2人1台のタブレットでもスムーズに協働学習が行える。

※「TruNote Classroom」を使った模擬授業。先生役は東芝クライアントソリューション国内事業統括部 高橋啓子氏が務めた。教員から教材を配信するとき、個々、グループ、一斉など配信先を授業に合わせて制御できるのが特徴だ。

模擬授業②_PenPlus Classroom

ガイアエデュケーションの授業支援ソフト「PenPlus Classroom」には、教材をグループ配信する機能はないが、その代わり、インターフェイスを簡素化するなど、実践に耐える授業支援ツールになっている。例えば、児童生徒の画面には「提出ボタン」が付いている。電子黒板には児童生徒のタブレット画面の状況が一覧表示されているが、表示はマスクされている。児童生徒が「提出ボタン」を押すと、その児童生徒のタブレット画面だけが電子黒板に表示されるというものだ。

教師が児童生徒を指名して「提出ボタン」を押させ、電子黒板に表示された解答を見ながら、クラス全員で検討するというスタイルの授業が行える。

 

また、タイマーの時間を設定し、時間がきたら強制的に電子黒板に表示されるという機能もある。1分間タイマーを設定すれば、児童生徒が課題をこなしている間、教師は机間巡視が可能になる。さらに、児童生徒が書き込みをしている最中に、強制的に教師側の画面が割り込む「注目モード」も備えている。

 

模擬授業は低学年向けの英語の授業が行われた。紙製のカードを併用するというユニークなものだった。生徒役は2人が1組となり、1人にカードが渡される。タブレットには単純化された町の地図が配信され、現在地と薬局、病院などの位置が示されている。カードには街の中の施設が1つだけ描かれている。タブレットを使う人は、その施設がなにであるかは知らされない。

 

一方、カードを渡された人、地図を見ながら「go straight」「turn left」「turn right」の3つの英語を使って、タブレットの人を目的に誘導していく。タブレットの人は指示に従い、指で歩いた道を書き込んでいき、2人のチームが正解の目的地にたどり着けるかというゲーミフィケーション型授業だ。

※ガイアエデュケーション「PenPlus Classroom」を使った模擬授業。先生役は同社取締役営業本部長 大林春樹氏が務めた。2人1組で、1人が英語で、もう1人を地図上の目的に導いていくというもの。カードとタブレットを組み合わせたユニークな授業スタイルだった。PenPlus Classroomには時間制限モードがあり、タイマーが0になると生徒がタブレットに解答した内容が一斉に電子黒板に表示される。タイマー作動中は先生が机間巡視が可能になる。

グローバル社会のコミュニケーション能力育成のために

最後に、インテルの教育事業推進担当部長である竹元賢治氏の講演が行われた。2030年の社会がどのようになるかを予測し、その社会で必要とされるテクノロジーとそれを活用するスキルを今の子どもたちに身につけさせておく必要があるという内容で、特にグローバル時代のコミュニケーション能力を育成するためには21世紀型スキルで定義されるようなスキルが今後重要になっていくと強調した。

※インテルの竹元賢治氏。AIやロボットが台頭する2030年代の社会に必要とされるスキルを今、子どもたちに身につけさせていく教育が重要という内容。竹元氏はグローバル時代のコミュニケーション能力がもっとも重要だとしていた。

時間に余裕がなく、ジャムセッションの時間はほとんど取ることができず、次回への課題となった。しかし、模擬授業の間、生徒役の教育関係者同士は近くの人と話が弾み、授業支援ツールと模擬授業からさまざまな授業立案のヒントを得た様子だった。このジャムセッションは、授業支援ツールの開発元、参加した教育関係者の双方にメリットのある形式だ。参加者の中には、次回の予定を尋ねる人がいるなど、好評を得ることに成功した。

関連リンク

 

 

「TruNote Classroom」製品ページはこちら

 ※東芝クライアントソリューション株式会社のページが開きます。

 

「PenPlus Classroom」製品ページはこちら

 

前編はコチラ

教育ICT関連記事一覧ページにもどる

ページトップに戻る