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レゴ社のロボットキット、マインドストームが教育現場で注目される理由とは?【前編】

2016年12月21日 記事

2020年から小学校でプログラミング教育の必修化が検討されている。これまで必修であった算数、理科、社会、国語といった内容に新たに「プログラミング的思考の育成」が追加されるわけだ。大人ですら難しいイメージのあるプログラミングを、どうすればわかりやすく児童に教えられるのか、そもそも教員自身の教えるスキルをどう育成していくのかなど課題は多い。そんな中、すでに多くの現場に投入され注目を集めている教材が教育版レゴ® マインドストーム® EV3(以下マインドストーム)である。いったい、どんな製品なのか。正規販売代理店である株式会社アフレル(以下 アフレル)に話を伺った。

確かな需要、一部門から独立へ

アフレルはマインドストームの正規販売代理店であり、同製品を活用した企業向けの研修サービスや教育機関向けの教材開発販売・サポート、ロボットコンテスト等のイベント企画運営などを事業として行っている。

 

もともとは福井県のシステム開発会社・株式会社永和システムマネジメントの一部門である教育未来支援事業部にて事業を行っていたが、2006年に分社・独立した。

 

ではなぜシステム開発会社の永和システムマネジメントが、マインドストームに着目したのか。アフレルのセールスチームリーダー鈴木氏は次のように語る。

 

ソフトウェアの開発は形として残りにくいので、子どもにとってもお父さんがどんな仕事をしているのかが見えないのです。そこでプログラムがロボットの動きで目に見える方法としてロボットを使ってプログラムの概念を伝えようと思い探したところ、現アフレルの代表である小林が見つけてきたのが当時、発売開始をしたばかりのロボットキットのマインドストームでした。永和システムマネジメントの創立20周年記念事業として「レゴ マインドストーム キャンプ・親子ロボット工作教室」を開催したところ、大人にも子どもにも大盛況だったため、独立して本格的に教育事業をやっていこうということになりました

株式会社アフレル セールスチームリーダー 鈴木 優介氏

レゴ ブロックでつくる自分だけのロボット

マインドストームは、レゴ社とMIT-マサチューセッツ工科大学が共同開発したロボティクス製品。タブレットの専用アプリから「どんなふうに動かしたいか」を入力すると、それがロボットの頭脳となるインテリジェントブロックに転送され、実際にロボットがその動きを行うのだ。

 

ポイントはロボット部分がレゴのブロックでできていること。教育版レゴ®マインドストーム ®EV3基本セットにはレゴ ブロックが入っており、組み替えることでクルマ型やアーム型など様々な形のロボットをつくることができる。

さらに手持ちのレゴブロックを追加して好きな形にアレンジすることもできるので、そのバリエーションはまさに無限大。「自分だけのロボットをつくることができて、しかも自分で動かせる」というところに、マインドストームならではの面白さがある。

 

好きな形のロボットをつくったら、動かすためのプログラミングを行う。入力はタブレットの専用アプリから。インテリジェントブロックはWi-FiやBluetooth機能を備えており、iOSやAndroidデバイスと無線で通信が可能だ。

 

プログラミングといっても、C言語などのいわゆる「コード」を書くわけではない。アプリではアイコンをドラッグ&ドロップするだけの簡単な手法が採用されており、子どもでもわかりやすく直感的にプログラミングすることができる。

実際の画面。直感的にロボットの動きをプログラミングすることができる

たとえば「モーターを動かす」なら、モーターのアイコンを画面中央にドラッグし、「どれくらいの強さで動かすか(回転させるか)」を数値で入力すればよい。そのモーターがタイヤにつながっていれば、入力した数値がロボットの走るスピードになるし、ショベルカーのアームにつながっていれば、アームが上下する動作のスピードになるというわけだ。

 

そうやって「ロボットの動きを表すアイコン」を好きなだけ並べたら、矢印の形をした「実行アイコン」をつなげてタップ。これで、自分が並べたアイコン通りにロボットが動いてくれる。

各種センサーを活用し高度なプログラミングを

色々な動きを並べて実行することで、もっと複雑な動きをさせることもできる。たとえばクルマ型のロボットの両輪にモーターを接続し、左右のタイヤに別の回転数を入力してやれば、ハンドルを切ったかのようにカーブさせられるといった具合だ。

 

また、マインドストームはカラーセンサー、ジャイロセンサー、超音波センサー、タッチセンサーといった様々なセンサーも付属しており、これらを使うことでより高度な作業を実行することもできる。傾きを検知するジャイロセンサーでロボットを自立させたり、カラーセンサーで特定の色に対して動かしたりと、創意工夫次第でいくらでもロボットは進化していく。中学校の「技術・家庭科」また高校の「情報」の授業や、WROといった国際ロボコンを目指している部活動でも活用できるキットだ。

 

簡単なプログラミングによる単純な動きから、高度なプログラミングによる複雑な制御まで、一つのパッケージの中でステップアップしていけるのがマインドストームの懐の深さでもある。

 

「自分でつくったものが、自分で命令したように動く」という手を動かして学ぶ体験は、格別な喜びがある。もっと複雑な動きをさせたくなり、頭をひねって「どうプログラミングすればどう動くか」を考える際に、算数や物理など様々な教科を複合的に組み合わせて学ぶことになる。

 

難しい動きをさせようとすれば当然ミスも生まれるが、そうなると次に考えるのは「どこでミスをしたのか」「どうすればそれを解決できるのか」という問題解決のプロセスだ。この部分にこそ、マインドストームの教材としての本質があると鈴木氏はいう。

 

次回は、マインドストームが優れたプログラミング教材である理由と、世界的なマインドストームのムーブメントを紹介する。

関連リンク

株式会社アフレル

教育版レゴ® マインドストーム® EV3の販売代理店、株式会社アフレル様のホームページです

教育版レゴ® マインドストーム® EV3製品紹介ページ

教育版レゴ® マインドストーム® EV3の製品紹介ページです

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