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学校で使うための機能と運用性を考えた、東芝のWindowsタブレット「S80」がリニューアル

2016年10月11日 記事

東芝クライアントソリューション株式会社は2016年4月、dynabookシリーズの10.1型Windowsタブレット「dynabook Tab S80/A」を発売した。教育現場への納入で実績のある「S80/N」の後継機にあたるものだが、改良にあたって現場からの声を積極的に取り入れ、より学校での活用に配慮された形に進化している。同社の前澤武志氏に話をきいた。

教育現場からの声を反映した新モデル開発

 同社が前年に発売したシリーズ前モデルのS80/Nは、一般向けながら教育現場での使用も視野に入れて開発されたものだ。それが予想以上に学校や塾などへ導入され高い評価を得たことから、今回の新モデル開発では導入先などからの声を積極的に採用、より教育現場での利用に合わせた機能改善に注力したという。

東芝クライアントソリューション株式会社 前澤 武志氏
東芝クライアントソリューション株式会社 前澤 武志氏

「ベースになるモデルにご好評をいただいていたので、その点を継承しつつ、現場からのご意見を聞いて改善していきました。その意味では、文教向けモデルといっても過言ではありません」(前澤氏)

コンパクトな形状はそのままに、重量は約540gと前モデル(約565g)よりも軽量化。ボディ裏面には細いストライプのテクスチャを加え、軽さだけでなく持ちやすさにも配慮した

た、デジタル教科書や動画を使う際に細部までよりくっきり見えるよう、画面はハイビジョンの約2倍に相当するWUXGA液晶を採用。CPUも最新のインテル Atom x5−z8300 プロセッサーになり、リアルタイムの教材配付・回収など、負荷のかかる作業もスムーズに行えるようになった。

運用への配慮から充電用に新たに専用の電源コネクタ(DC-in)を搭載。前モデルではUSB充電だったため、充電中はキーボードやカードリーダーといった周辺機器を接続できない課題があったが、それを解消した。また、オプションのキーボードもBluetoothからUSB接続に変更されたことでコネクタをつなぐだけの簡単接続に。キーボード側のバッテリーが不要になったことで、軽量化も実現した。

dynabook Tab S80/A ※オプションキーボード装着時
dynabook Tab S80/A ※オプションキーボード装着時

さらに、「集める」「まとめる」「整理する」といった機能をサポートする東芝オリジナルのアプリをプリインストール。手書きメモができるTruNoteを中心に、写真を取り込めるTruCapture、WebページなどをスクラップするTruNote Clipでノートを作成し、その画面をTruNote Shareを使ってリアルタイムにシェアする、という機能がそろっている。学習の現場でも十分に活躍してくれるだろう。

無料なのが信じられないほど高機能な「TruNote」

https://dynabook.com/individual/application/tru/index.html

大事なところを「変えない」という選択

 S80の特徴のうち、選ばれる大きな理由の一つが自然なタッチで描けるペンだ。実際に使ってみると、その書き味に驚く。基本的にキーボード入力を使用するビジネス向けとは異なり、教育現場では「手書き」が重要なインタフェースとなるが、一般的なタッチペンでは精度が低く、紙に書くような文字は再現できない。かといって精度の高い製品はほとんどがプロ向けの価格帯となる。だが、S80にはパソコン用ペンタブレット世界的メーカー・ワコムとの共同開発による専用の高精細デジタイザーペンが最初から付属している

電磁誘導式で一般的なタッチペンよりも高い感度と細いペン先を実現。持った感覚はボールペンと変わらない程度の軽さだ。ペン先と筆跡のギャップ(視差)が少なく、筆圧感知にも対応するなど、紙に近い感覚で書けると前モデルでも好評だった。タブレット導入時の機種選定にあたり、このペンが決め手となってS80が選ばれたケースもあったそうだ。

 

「とにかくペンの書き味には自信があります。そこは東芝として一番こだわっている所なんです。そのため、ペンについてはあえて何も変えないという選択肢を選びました」(前澤氏)

 

また、前モデルではオプションの専用EVAケースが好評で、ケース付きで導入する学校がほとんどだったため、新モデル用にも同様のケースを開発した。EVAは弾力性があり軽くて耐久性に優れる合成樹脂。デジタル機器のケースはもちろん、カバンやサンダル、乳幼児用玩具などにも使用されている素材だ。衝突してもタブレットの角が直接当たらず、落下の際にも衝撃を吸収してくれるといった保護目的に加え、持ち運びやすいハンドル・スタンド機能・ペンホルダーといった使い勝手の面でも、学校での使用に適した製品だ。

意図したわけではないがタブレットを使わない場合は子どもたちは机の横にあるフックにハンドルの部分をかけているという

運用を支援するソリューション

同社ではタブレット本体だけでなく、シンプルで導入しやすい学校向けICTソリューション「dynaSchool」も提供している。

東芝が提供する学校ICTソリューション「dynaSchool」

dynaschool詳細ページ(https://dynabook.com/solution/dynaschool/index.html

dynaSchoolシリーズの一つである「デジタルノート@クリエイターズ」(http://sip.dis-ex.jp/news.html?id=59)は、紙のノートや資料・デジタルの画像や動画を簡単に取り込み、タブレットの手書き機能を活かしながら「考える」「まとめる」「発表・共有する」という段階に沿った学習ができるデジタルノートアプリだ。この他、作成したファイルや情報を瞬時にクリアし元の状態に戻せる「dynaSchool Recovery」、授業用素材集・電子黒板機能・児童生徒のタブレット管理機能など授業運営をスムーズにする「dynaSchool Support」といった、タブレットを使った授業を支援する各種アプリも提供している。

 

また、最初の導入に最適な「dynaSchool おてがるICTパック」では、タブレットS80/A(ケース付き)10台とプロジェクター、無線LAN環境を簡単に構築できる収納・充電・移動カート、上記のソフトに加え、先生向けの講習会もセットにしている。

 

「2020年が目標とされていますが、いきなり1人1台を導入するには課題が多いと考えています。ダイワボウ情報システムさんと連携して、まずはグループ学習で利用できるよう小規模かつ運用しやすい形でご提供しようと考えたのがこのパックです。これにタブレットをプラスし、1クラス分40台を導入していただいたケースもあります」(前澤氏)

 

S80/Aというタブレット本体が文教向けを重視して開発されたものであることは、教室内での大きな安心材料となるだろう。だが学校という集団の中で活用するにはハード・ソフトの全体的な管理、効率的な授業運営など、機器を日々使うための運用体制も含めた施策が必要だ。そこを総合して考えたdynaSchoolは、学校ICTにとって心強いものになるはずだ。

 

2020年に向けて学校のICTへの取り組みも、教育内容も試行錯誤を続けているが、タブレットもそれに合わせて進化しようと開発側も常に新たな課題に取り組んでいる。前澤氏は最後にこう締めくくった。

 

「小学校の英語教育や、プログラミングの必修科目化など、2020年を前にいろいろな動きが出ています。それに対してキーボードはこれでいいのか、CPUの性能やストレージ容量は足りているか、家庭に持ち帰るようになったらLTE通信も必要か。また、学校によっても使い方がさまざまで、要件も多様化しています。今後も常に教育現場に最適なタブレットを提供できるよう、しっかり現場の声を聞いて対応していきたいと考えています」(前澤氏)

 

タブレットの効果を最大限に活かしつつ、これまで通り児童生徒に「書くこと」を提供できるS80/A。教育の現場での需要はさらに高まっていくだろう。

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