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「模索」から「当たり前」へ - 先生たちの協力が実現した青森県外ケ浜町立蟹田小学校ICT活用の変化【後編】

2016年08月17日 記事

 青森県外ケ浜町立蟹田小学校は、平成26年9月にタブレットを導入。翌27年度には校内研究の一環としてプロジェクターや書画カメラなどを含めたICT機器の活用を掲げ、取り組みを進める中で日常の授業に機器の使用が根付いてきたという。現在はどのように活用されているのか、また今後どのようなことを期待しているのか、同校の八木橋 勝治校長、小松 達弘教頭と、6年生担任の船橋先生、5年生担任の後藤先生にお話をきいた。

青森県外ヶ浜町立蟹田小学校
青森県外ヶ浜町立蟹田小学校

体育でも算数でも、タブレットならではの学び方を

 タブレット導入から1年半が経ち、プロジェクターや書画カメラなども含めてICT機器が日常的に授業で活用されるようになったという蟹田小学校。授業では実際にどんな場面で活用されているのだろうか。先生方にうかがった。

 

「体育でマット運動の様子を動画で撮影しています。タイムラインをスクロールして、良いところ、直すところをスロー再生で見せながら確認しています」(後藤先生)

 

「低学年の算数では校内にある三角や四角などの図形を探して写真を撮り、教室に戻って発表するなど、タブレットがなくてはできない活動もできましたね」(小松教頭)

6年生担任の船橋先生
6年生担任の船橋先生

 

プロジェクターや大型モニターと実物投影機を併用し、児童のノートを映して見せることにも活用されている。

「授業の最後に振り返り(感想)を書かせるのですが、発表してくれた子のノートの書き方が上手だったとか、発表の仕方が上手だったといったことを書いてくれる子もいて、お互いにいい影響を与えている面もあるようです」(船橋先生)

「発表の際にノートをそのまま大きく投影して見せることができるので、時間の短縮にも役立っています。黒板や大きな紙に書き直していたのに比べると、手間も省けるし児童も気軽に発表できるようになったと思います」(後藤先生)

一つのツールとして自然に教室に設置されている
一つのツールとして自然に教室に設置されている

 従来、パソコンを使用していたものがタブレットに置き換えられている事例もある。

 

「今までは調べ物のある授業ではパソコンルームに移動して、パソコンを立ち上げて調べて1時間、教室に戻って資料作りで1時間かかっていましたが、それをタブレットを使って教室ですべてできるようになりました。総合学習ではよく使っています」(小松教頭)

 

ただ、こうした使い方においては全員が同時にネット接続するため回線が非常に遅くなるのが悩みどころ。現在は、調べ物などのインターネット使用時にはグループ学習にするといった工夫も取り入れられている。それ以外でもアプリによっては一斉にサーバへデータを読みに行くことでサーバ側の反応が遅くなるものもあるそうだ。これは今後、授業で使用するアプリやデジタル教材の開発・選定のポイントになってくるだろう。

 

前編で紹介したように先生方の協力体制ができたことでタブレット活用のノウハウが蓄積され、利用される場面もより広まっていった。だが、使う機会が増えたことで先生方の負担が増した部分はあったのだろうか。

 

「一長一短だと思います。授業内でどう使わせるかを事前に調べ、確認しておく作業は必要になります。ただ、教材の準備については印刷が不要でデータだけあればいいので、そこは助かっています」(後藤先生)

使うことで見えてきた、次への挑戦

蟹田小学校 八木橋 校長
蟹田小学校 八木橋 校長

タブレットの導入にあたり、学校では児童が機器の操作を覚えるだけでなく表現力・思考力を高めていくことを目指していたという。

「表現力については、いろいろな形で資料作りやプレゼンを通じて多様な表現ができるようになったと思います。また、話し合いの中から自分の考えをタブレットを使ってまとめ、思考したことを言えるようになる、といった場面も見られるようになりました。今後はただ使うだけでなく、授業の中でより効果的に活用することを考える段階に来ています」(八木橋校長)

同校では28年度の校内研究のテーマを『協働的な学習』と設定した。ICTにおいては、子どもたちが教え合い学び合う中で機器を活用したコミュニケーションや、自主的に活用する力をつけさせていきたいと考えているそうだ。

 

学級担任の先生からは、今後は一人ひとりが集めた情報をグループ内でシェアして資料作りをしたり、ノート代わりに使ったり、他校との交流や情報のやり取りをしてみたいといった希望が聞かれた。実際に使用して成果が出てくることで、次の目標や挑戦したい課題が見えてきたという。

 

「こうした使い方をする段階までくると、1人1台あるといいなと思いますね。自分のタブレットがあれば授業だけでなく復習や宿題に使ったり、辞書代わりにするなど、使い込み方が変わってくると思います」(小松教頭)

 

タブレットを始めICT機器は、単に教材・設備にとどまらず思考・表現・コミュニケーションの手段となるものだ。

蟹田小学校のように授業を通して課題を持ちながら活用する経験は、子どもたちがこれからの時代を生きて行くにあたり、大きな力になるだろう。

 

前編はこちら

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