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通信環境がなくても学習を進めることができる「STUDYFIT」の魅力とは?

2016年07月28日 記事

 教育現場のICT化が進んでいるといっても、多くの教室では、通信環境が整備されていなかったり、児童に十分な台数のタブレット端末が行き届いていない場合が多い。現実的には、コンピュータ教室のデスクトップコンピュータの置き換えとして、40数台のタブレット端末を導入し、クラス間で共用するケースが多いだろう。だが、そんな環境でも児童の学習に効果的なソリューションがある。タブレット端末を活用したシャープの個別学習システム「STUDYFIT」だ。通信環境がなくても学習を進めることができる同システムの魅力について、シャープビジネスソリューション株式会社の榎本 松喜氏、川楠 研氏とシャープ株式会社の沢田 裕司氏に話を聞いた。

左から シャープ株式会社 沢田 裕司氏、シャープビジネスソリューション株式会社 川楠 研氏、榎本 松喜氏
左から シャープ株式会社 沢田 裕司氏、シャープビジネスソリューション株式会社 川楠 研氏、榎本 松喜氏

先生の不安をできる限り少なく。オフラインでも学習可能な環境を実現

 国内有数の液晶メーカーであるシャープは、高品質で高性能な電子黒板「BIG PAD」を提供する教育向けハードベンダーとして知られている。一方で、30年前から教育の情報化に取り組み、大学の教員らと共同で教育用ソフトウェアの「スタディシリーズ」を開発してきた。「スタディシリーズ」は、「教育の情報化ビジョン」で示される個別学習、一斉学習、協働学習のそれぞれの学習場面で利用できるソフトウェアである。

 

「STUDYFIT」は、スタディシリーズのひとつで、タブレット端末を活用した個別学習システムである。基礎学力の定着を目的に、漢字や計算など一人ひとりの理解度に合わせたドリル学習を行うことが可能だ。対象は小学3年生〜6年生で、(株)日本標準と共同開発した国語と算数のデジタル教材が用意されている。朝学習などの帯時間や授業の開始5~10分間など、短時間で効率よく個別学習に取り組める。

教室で児童全員がタブレット端末を使った個別学習を行うことに対して、通信環境を不安視する教員も多い。ドリルを解いている最中に通信障害が起こり、学習が中断してしまっては児童のやる気にも関わる。STUDYFITは、そんな現場のストレスに対応すべく、オフラインでも学習可能な環境を実現した。

シャープビジネスソリューション株式会社 アカデミックシステム営業部               教育ICT担当 課長 川楠 研氏
シャープビジネスソリューション株式会社 アカデミックシステム営業部               教育ICT担当 課長 川楠 研氏

 

 具体的には、学習履歴や解答データを送信する際のみ通信環境を利用するシステムで、アプリケーション内にある「送る」ボタンを押せばデータが通信され、常時、広帯域の通信環境でなくとも運用が可能だ。

川楠氏は「教室の多くは通信環境が整備されておらず、ICTが不得手な先生も多い。そんな現実に寄り添い、先生の不安をできるだけ少なくできるような簡単な運用にこだわった」と製品開発の経緯を語る

日々の学習結果を生かして、授業改善にもつなげる!

 児童用のSTUDYFITは、一人ひとりの理解度に合わせた漢字や計算のドリル問題を解くことがメインになる。進め方としては、学期の最初に「確認テスト」を行い、児童の到達度をチェック。確認テストで得られた結果をもとに、児童の理解度に合わせた単元の課題を解く仕組みだ。例えば、理解度の高い単元については、基本問題を飛ばして、応用問題からスタートする。1つの課題は5~10分で取り組める量で、児童の画面では、各自が取り組む課題がオレンジ色で分かりやすく表示されている。

 

 児童が問題を解く際は、タブレット用のペンを使う。4択の選択問題と手書き解答の問題が用意されており、選択問題は自動採点、手書き解答は、答え合わせで表示された答えを見ながら自己採点を行う。全問正解すれば、次の課題へ進むことができ、全問正解しなければ、間違った問題を繰り返して解く。3回連続で間違った場合は、教師のアドバイスが必要だと判断し、その内容が教師側にも伝わる仕組みだ。川楠氏は「こうしたドリル学習のタブレット利用であれば、指導計画を作り直さずにスキマ時間で取り組めるのが良い」とメリットを語る。

 

一方、教員は、児童の学習進捗状況に加え、児童の端末から送られてくる解答や学習履歴をブラウザ経由で日々確認できる。個人別、問題別の進捗・理解状況が一覧で表示されるため、児童がどこまで学習を進めているのか、どの部分でつまずいたのかなど指導につながるポイントが把握しやすい。

児童の学習画面
児童の学習画面
進捗状況を確認
進捗状況を確認
シャープ株式会社 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 健康・環境システム事業本部 IoTソリューション事業部    ネットワークソリューション推進部 参事 沢田裕司氏
シャープ株式会社 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 健康・環境システム事業本部 IoTソリューション事業部    ネットワークソリューション推進部 参事 沢田裕司氏

 

個人別の進捗状況確認画面(写真上)は、問題ごとの細かなデータが分かる。青色は、一度で全問正解できた問題、赤色は3回間違っても正解できなかった問題を示しており、教師のアドバイスが必要であることを意味している。

この画面から、クラス全体の正解率や、間違った児童の解答にも遡ることが可能で、どこでつまずいたのかを把握できる。

STUDYFITを開発した沢田氏は「ログが残るデジタルの特性を生かして、児童がよく間違う問題の種類や傾向を先生が掴みやすいことを重要視した。授業中に強化すべき点の把握に役立ててほしい」と語る。

クラス全体の弱点がわかることで、授業の質をより高めることができるというのだ。

 ちなみに、STUDYFITは、それぞれの学校が使用している教科書に合わせて単元の順番が設定される。基本的に児童はどんどん先へ進められるが、学期を越えた先取り学習はできない。学校の授業に合わせて、教員が丁寧な指導ができるようにも配慮されている。

成績下位層に効果あり。学力は全体的に底上げ

 STUDYFITでは実際に学習効果が得られるのか。同サービスを使った実証研究が2014年から2015年にかけて、佐賀県多久市の小学校で実施された。対象は市内3小学校の5年生186名。1日5~10分のタブレットタイムを設け、STUDYFITで国語と算数を学習する。実施期間の前後で診断テストを行い学習効果の検証を行った。

 

診断テストの結果を1回目、2回目で比較すると総合正答率に関しては、国語が8ポイント、算数は13ポイント向上した。観点別分析のデータによると、漢字・文法という「言語項目」の上昇率が、ほかに比べて高い。また算数においては、「数学的な考え方」「技能」「知識・理解」の3観点でいずれも上昇している。

シャープビジネスソリューション株式会社 アカデミックシステム営業部                  教育ICT担当 課長 榎本松喜氏
シャープビジネスソリューション株式会社 アカデミックシステム営業部                  教育ICT担当 課長 榎本松喜氏

 

学習到達状況の分布推移を分析したデータからは、国語・算数の両教科において成績下位層の比率が下がった結果が得られた。全体的に学力が底上げされたと同時に、成績上位層の児童が増えた。

この要因について榎本氏は、「先生の採点を待つことなく、自分の解いた答の正誤がすぐに分かることが学習内容の理解・定着を高めたのではないか」と分析している。

教員にとっても、児童の理解度をリアルタイムで確認できるため、出来なかった問題に対して授業中に効率よくフォローするなど授業改善にもつながった。

また榎本氏は、「STUDYFITの時間を朝学習の10分と決め、集中して取り組めたことが学習効果の向上につながった」と説明した。

現場の教員からも「学習意欲が高くなった」「計算のミスが減ったように感じる」など、学習に対する児童の意欲や態度にも変化が見られたようだ。

 一方で実証研究から見えてきた課題としては、課題を早く達成したいために丁寧さを欠いてしまう児童もいたことがわかった。タブレットを使った学習では、テンポよく進めることが可能であるため、ついついスピード重視になってしまう。どこを間違えたのかを見極めることで、児童自身がじっくり問題に取り組めるようにすることが今後の課題となった。

 

 タブレットを導入したはいいが、“何をすれば良いのか分からない”という学校は多い。協働学習、一斉学習におけるタブレットの活用は向かうべき方向のひとつだが、最初の取り組みとしてはハードルが高いと感じる教員もいるはずだ。

 

STUDYFITなら授業とは別に、個別学習に焦点をあててスキマ時間でも有効にICTを活用できる。

学校や教員、児童の現状に合わせて活用できるICTの手段として有効だ。

 

 

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